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by infokamishibai
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走れ!ぼんまる物語

走れ!ぼんまる物語_e0142699_22575711.jpg


こんにちは。らっきょむです。


僕たちはヤッサン一座。

その名の通り「ヤッサン」の一座。

ヤッサン一座の幟の元、紙芝居をしているとたまにお客さんに聞かれる。

「あなたがヤッサンですか?」

とんでもない!!僕と一緒にされたら師匠もたまったもんじゃありません。

でも、ヤッサン一座を掲げて紙芝居をするってのはそういうこと。

師匠は亡くなる前「弟子は47人いる」と言いました。単に紙芝居四十七士と言いたかっただけなのではないか、師匠入れたらYSN48やんけ!と僕なんかは思ってしまうのですが、実際師匠の教えを受けた人間はそれくらいは余裕でいるし、何なら後から隠し子ならぬ僕たちの知らなかった隠し弟子もいたりしてヤッサンの教えはそれぞれに濃かったり薄かったり、一滴だったりして受け継がれているようです。


そんな僕も、勿論弟子の一人。

たぶん師匠に1番怒られた弟子ではないかと思っています。

それだけの失敗を重ねてきたのが僕という人間であります。


紙芝居の絵を持たずに紙芝居に行く。

紙芝居の売上金を落とす。

師匠を乗せたまま居眠り運転をする。

etc・・・



重ねに重ねた悪行三昧、師匠は「このデコスケ!!!」と僕を叱りつけながらも根気よく付き合ってくれました。

失敗する僕という人間のその奥の奥を見つめながら師匠は怖く厳しく暖かく接してくれました。


まぁ失敗談でロイヤルストレートフラッシュできる弟子は僕くらいやろ、と高をくくっていたら


いました。


僕を超える逸材が。


それが師匠が連れてきた最後の弟子「ぼんまる」。


座長だんまるのフェイスブックから少し引用すると


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テーブルの上が汚れている。
拭けと言うと、息をフッと吹いている。

雨の中、花に水をあげている。

口演先で出た茶菓子を僕の分まで食べる。

口演先、師匠の弁当と、アシスタント(にもなっていないが)のぼんまるの弁当。
師匠がぼやく、「俺の弁当に箸がないんだけど」
「僕のならあります!」
師匠の目の前、弁当食い切るぼんまる。

鍋を食う。
美味しいかと聞くと、
「はい、塩っけがあって美味しいです。」

カレーを食う。
美味しいかと聞くと
「はい、塩っけがあって美味しいです。」

女将さんが
「子どもって可愛いでしょ?」と聞くと、
「いえ、子ども、老人、生産性のないものはこの世に必要ないと父に聞かされています」


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僕の居眠り運転に対抗したいのか、だんまるを乗せて高速道路を逆走するぼんまる。

手のかかる子ほど可愛いというけど、あまりにひねくれ過ぎて全く可愛くないぼんまる。


人と人との間が分からないから「間抜け」と言われる。

人と関わらないから間が分からないのか

間が分からないから人と関わらないのか

卵が先か鶏が先か。

きっとその両方。

人一倍周りが見えない、気が付けない。だから苦手な事からは遠ざかって目も耳も心も閉ざした生き方をする。

人間誰だって向き不向きがある。自分に向かない生き方をする必要はない。

人と関わって来なかったぼんまるはとことん紙芝居が向いていないのかもしれない。

でも、人と関わって来なかったからこそ紙芝居が必要なのだと思う。

まともに人と関係を築けるなら紙芝居なんて要らないのかもしれない。

でも紙芝居を通してなら人と向き合える、誰かと笑い合える。


それは僕も少なからずそう。だから紙芝居をするのだ。

師匠はこんな僕でも何度も機会をくれた。一歩踏み出すことでしか人は成長しないからだ。

ぼんまるが抱えてるものを僕は分かるなんて言ってやれない。言うべきでもない。

でも僕だって決して上手に生きて来れず、それまでの職場でダメダメだった心のリハビリを紙芝居を通してしてきたところは大いにある。

誰だって、それぞれのテーマを抱えて紙芝居に向き合っている。

師匠がしてくれたようになんて出来ない。けど、ぼんまるが一歩を踏み出すために僕らも一歩踏み出すしかない。

人と向き合う怖さ。

ヤッサンの幟を掲げて紙芝居をする事の怖さ。

師匠の奥さんである女将さんに「ババア」と吐いてしまうぼんまるがお客さんに何をいうか分からない怖さ。

怖さを乗り越えなきゃならないのは、紙芝居をする方も任す方も同じ。

そこの感性鈍ければ何も感じずに紙芝居もできるでしょうが、それじゃ前に進まず足踏みしてるのと一緒。


紙芝居にとことん不向きなぼんまる。

普段は無口無表情を貫くぼんまる。

でもそんな彼が全身で紙芝居をする時の笑顔はけしてニセモノじゃない。

不器用な彼の紙芝居を受け止めてくれる人の前で、ぼんまるは最高の顔をする。

その一点を僕は信じたい。

そこから変わっていく自分がある。開いていく人生があると。

何をやっても失敗続きで人と較べて落ち込んでいた僕は、誰かと同じ物差しで生きていたら自分を嫌いになるだけだと思い、自分自身の物差しで生きていける道を求めました。

そこで出会ったのが紙芝居。

その喜びを伝えるのもきっと兄弟子であり、紙芝居屋である僕らのしごと。



4月2日

世界自閉症啓発デー。


東京タワーブルーイベント

日 時 : 2019年4月2日(火) 13:00~18:30
会 場 : 東京タワー広場・特設ステージ(東京都港区芝公園4丁目2-8)
内 容 : 13:00~17:00 各種イベント
      18:15~18:30 厚生労働省主催啓発イベント

ぼんまるは東京タワーの元へ紙芝居をしに行きます。

まだまだ半人前の男につき、だんまると一緒の出演。

急遽決まった出演につき、チラシの掲載も間に合わず。

それでも与えられたステージ。

不器用な男なら、自分の命をそのまんまで伝えるしかない。

でもそれが本当は一番かっこいい。

頑張れぼんまる!




追伸
お時間ある方はだんまるフェイスブックも御覧ください。
もっと濃い、だんまるぼんまるの生態がありありと描かれております。


https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=2168390110141717&id=100009122473941



by infokamishibai | 2019-03-27 22:41 | 口演